ナースウェル・インターナショナル株式会社 代表取締役

劉 綺

Liu Qi

知足常乐

劉 綺

略歴

1993年、中国の看護師を辞職して来日。日本で大学・大学院の勉強を終えてから、各職種に就職、育児生活を経験した。
2014年に看護師受験資格認定を受け、翌年に看護師国家試験を合格。
同年に会社を設立し、翌年に外来看護師として勤務し始める。
2022年に日本国際看護師認定を受け、医療通訳専門技能認定試験に合格し、現在に至る。

現在の仕事についた経緯

友人の「日本で検診を受けたい」との要望に応える事をきっかけに、私は日本の看護師になる前に日本の優れた医療サービスに触れることができました。来日前に身につけた医療知識と、日本での勉学就職で身につけた語学力を合わせたら、国際医療のコーディネーターになれるかもしれないと思いました。
しかし約20年前に勉強した医療知識は、ほぼ忘れておりました。医療通訳の仕事はとても責任重大との意識があり、自分が再度医療知識の勉強をした上で、この仕事に従事しようと考えた所、看護師受験資格が認定されるかもしれないと知りました。なんとか認定を受け、看護師の資格を取得してから、起業を決意しました。

仕事へのこだわり

医療通訳の仕事は高い言語力と豊富な専門知識及び柔軟な現場対応力が要求されているにもかかわらず、資格化されておらず、現在は通訳者たちの収入保証もされず、各通訳者の通訳レベルが判断しずらい状況下にあります。
先生と患者の言葉とその内容を理解できず、誤訳や漏れがあると、後の治療に大きな影響を与える可能性もあるため、通訳者には強い責任感と使命感も要求されます。
そして、海外の患者さんの特徴や習慣を理解せず、一概に日本の医療現場の慣習に従わせると、トラブルのもとにもなるため、文化的な仲介役もする必要があります。医療教育や医療倫理教育を受けた事のない方はその分野の学習も必要です。私自身、中国で看護師の教育を受けましたが、時代と国がかなり異なるため、新たに学習する必要がある内容も多々あります。医学知識という学問はどこまでも幅広く深く探求できる学問です。
専門性が高く、医師や看護師も専門があるように、医療通訳とコーディネーターはすべての診療科や診療場面での対応が必要になる事も難しい点です。
色々な場面に其々に相応しい人員配置をして、皆が適材適所で協力し合うことで、一人の患者さんの対応を最初から最後までできるようになります。
常に新疾病や新治療を学習し続ける向上心を持って、スキルアップを求め続ける原動力が必要です。チーム医療に加わり、日本の医療現場が元々のスタイルで外国人患者の対応ができるようなチームコーディを提供する為、このような人々を集めて、チームを組み合わせ、引っ張っていくことをいつも心がけています。

若者へのメッセージ

人生に一度でいいので、無理だろうと思うような目標の為に必死に頑張ってみてください!無理な事を一度やり遂げたら、二度三度できるようになります。
私は皆と同じく極々普通の人です。国公立大学に進学する事が中国の看護学校を卒業した私にとって「無理だろうと思うような目標」でした。しかし、日本に来た当初、母が当時の年収の20~30倍の借金をして、私の日本語学校の学費を払ってくれました。まさに背水の陣でした。「どうしても!」「絶対に!」という信念があれば、なんとかなります!その気持ちで、看護師受験資格認定、看護師国家試験に挑みました。
そして、中国の看護職を離職して20年後に、日本の医療現場の看護師勤務にも挑戦してみました。たくさんの経験をして初めて自分にふさわしい仕事は何かが分かります。40歳に歩みだした第二の人生はとてもやりがいがあって、いつもフレッシュで、人々に必要とされている仕事に就いています。
人生を楽しんでいる姿は、やがて子供たちにもいい影響を与えます。自分たちの歩む道をママより早く見つけてほしいと思います。もちろん、今の若者たちにももっと自分の事を理解して、やりたい事を見つけてほしいと思います。