株式会社MeltingPot代表取締役

河口 沙月

Satsuki Koguchi

継続は力なり

河口 沙月

略歴

桜蔭高校卒業、2015年 東京藝術大学日本画専攻卒業。
大学在学時に起業し、2018 年 慶應ビジネススクールでMBAを取得。
2019年、エイベックスと協業開始。現在はavex art agency project,自社サービスにてクリエイター、アーティストの総合的なキャリアサポートを手がける。

現在の仕事についた経緯

大学在学中に起業しました。現役がほぼいない何浪もするような人が犇く大学です。そんな大学で美術を学ぶ中で、いかに専門的な学問を学び、超越した技術を持ち合わせても、出口が確保されていないことを痛感して、設計会社と共同で、オフィスにアートを飾るサブスク、壁に直接ペイントするサービスを始めました。よりプロフェッショナルなアーティストとして活動するためのバックアップを行いたいと思い、ビジネススクールに進学。その後、会社を本格的に始め、自治体と運営するアーティスト・イン・レジデンスや芸術祭のディレクション、他社と協業したアートプロジェクト、クリエイター全般のキャリアサポートを行うサービスを展開しています。

仕事へのこだわり

一つ目は、とにかく諦めずに、粘り強く、アップデートし続けること。何かがずっと上手くいくことは、ほとんどないです。とりわけ自分のような新規事業の場合は。そもそも、人も前例も足りない中で、まったく手探りで夢を追いかけて進むようなものです。それでも進めていると、一歩一歩今何をするべきかが見えてきます。常に、今やっていることは、それ以外にやりようがないものか、考え続けること。そうすると、今度は目の前にやることが山積みになって、そもそも思い描いていた夢が掠れてくることがある。そんな時は、少し仕事から離れてみて、軌道修正をします。熱量をもって向き合いながら、同時に冷静に判断していくことが重要です。
二つ目は、周囲の人々に対して否定的な言葉を使わないことです。会社勤務経験のないまま起業して最初の頃は、うまくいかないことへの苛立ちを言葉にしたり、無理な要求を仲間にしてしまっていました。結果、自分の周りからいなくなった人もいます。そこからビジネススクールでの経験や現在協業している会社のマネジメントを目の当たりにして、「人」を仲間として扱う重要性、仕事だからこそ一緒の目標に辿り着くためのチームワーク作りを意識するようになりました。誰しも、自分のことを否定する人と時間を共有したいとは思いません。起業家は自分事として、プライベートと仕事の境目もなく考えがちですが、周囲は必ずしもそうではないことを念頭においた言葉選びが必要だと感じています。
ありふれたことだと思いますが、粘り強く仕事に向き合うことと、チームワークを醸成していくこと。これらが、自戒も含めてこだわり続けなければいけないことだと思っています。

若者へのメッセージ

何かをやり始めると、沢山の人がそれぞれの言い分を言ってきます。
「もっとこうした方がいい」
「そんなことをしてちゃだめだ」
「うまくいくわけがない」
ぽっと出会った人に言われるくらいならまだしも、距離の近かったはずの友達に言われることだってあります。本気になればなるほど、驚くような言葉に出会います。
それでも、自分がやりたいと思ったらやること、続けること。間違えたと思ったらすぐに正すこと。ただし、それらを自分の決断として責任を持って行うこと。
全ての行動は自分の決断で行っている、と日々意識すれば、おのずと誰の意見を聞き、どのように動くかははっきりしてきて、そこに後悔は生まれません。
とにかく前向きに生きることです!