日本事業承継アドバイザリー株式会社代表取締役社長

加藤 裕康

Hiroyasu Kato

誠実であり続けること

加藤 裕康

略歴

関西大学商学部卒業後、KPMGニューヨーク事務所入社、6年間を米国で過ごす。
帰国後にKPMGコーポレイトファイナンスに入社。 2004年GCA株式会社を共同設立。 2006年現 GCA
FAS株式会社をGCAグループ内に立ち上げ初代代表に就任。 2021年にGCAグループから独立し、
現在、日本事業承継アドバイザリー株式会社の代表取締役社長。 2015年まで神戸大学大学院経営学研究科(集中講座)客員准教授。
共著として「Q&AでわかるM&A実務のすべて」(中央経済社)など。

現在の仕事についた経緯

22歳の時に単身でアメリカに渡り、
世界4大会計事務所の一つ、KPMGのニューヨーク事務所に入所しました。
ニューヨークには6年間滞在し、日系企業の現地法人の監査等を経験する中で、
もっと付加価値が高いビジネスをやってみたいと思うようになりました。
そこで、1998年に帰国してKPMGコーポレイトファイナンスという
M&Aのアドバイザリー会社に入社しました。
その後2004年にGCA株式会社を佐山展生氏、渡辺章博氏、山本礼二郎氏と4人で
共同設立し、ずっとM&Aのアドバイザリー業務一筋でやってきました。

仕事へのこだわり

20年前は、M&Aは企業にとって成長のツールとして
まだ身近な手段ではありませんでした。
ですから、クライアント自身にM&Aのノウハウや経験がなく、
いわゆる初めて登る険しい山の案内人のように、次に何をしなければならないのか、
企業の価値をどう評価するべきなのか、難しい局面においてどのように物事を考え判断し
説明責任を果たすべきか、といったある意味、
属人的なアドバイスが必要とされていた時代でした。
その中で求められたものは、クライアントに信頼して頂くための誠実さであったり、
クライアントの担当者の立場に立って一緒に現場を視察し、浮かび上がる問題に頭を抱え、必要な条件を相手方と交渉し、何とかして解決策を導き出して案件を成就させる、
といった運命共同体のような役割でした。
ですので、とてもやりがいのある仕事だったと思います。

最近では、クライアント自身にM&Aのノウハウが随分と蓄積され、
求められる外部のアドバイザーの役割も変わってきたと思います。
思い返してみれば、昔はM&Aのアドバイザリー業務をやっていたのは、
金融機関や監査法人など、それを本業としてやっていない会社ばかりの時代でした。
そこでクライアントから、目先の成功報酬や本業のビジネスに繋がるからという理由で
案件を成立させるのではなく、利益相反のない本当に自分たちの立場に立って、
自分たちの最善の利益のために中長期的にお付き合いしてくれる
独立系のM&Aアドバイザリーの会社を作って欲しい、
という要望から立ち上げた会社がGCAでした。

時代は変わっても、”For Clients’ Best Interest”という理念だけは忘れずにこれからも
仕事に取り組んでいきたいと考えています。

若者へのメッセージ

色々なことをやっていると、人にはぞれぞれ果たすべき使命のようなものがあるのではないかと感じることがあります。
若い頃は、短期的に興味を抱いたこと、例えば有名になりたいとか、
お金持ちになりたいといった欲みたいなものが先に立ってしまい、
そういう使命感のようなものに気付くことが難しいかもしれません。
しかし、人にとって「本当の幸せ」というものが何であるのか、ということを突き詰めて
考えようとすればする程、そうした使命感のようなものに目を向けざるを得ない時が
必ず訪れるのではないかと思っています。
そういう思いに気づかされることだけでも幸せなことかもしれませんが、
そこに目を向けて、自分の人生をかけてチャレンジするべき壮大なテーマみたいなものを
見つけて挑んで頂きたいと思っています。
もちろん、自分自身もその壮大なテーマに向かう旅の途中です。
まだまだ突き進んでいくべき道は長いです。
共に頑張っていきましょう!