一般社団法人イタリア音楽振興会オペラ歌手、ヴォイストレーナ、一般社団法人イタリア音楽振興会代表理事

金澤 澄華

Sumika Kanazawa

為せば成る為さねばならぬ何事も

金澤 澄華

略歴

武蔵野音楽大学大学院修了。ミラノに留学し、M.グリエルミ、Nカルツィ、F.チェドリンス各氏に師事。第1回岐阜国際音楽コンクール審査員特別賞。第42、43回日本イタリア声楽コンコルソ入選。イタリアで、第10回L・チェッリテッリ国際音楽コンクール優勝。岐阜県文化功績賞を受賞。名古屋二期会「ラ・ボエーム」ムゼッタ役でデビュー後、数々のオペラに主役で出演。プッチーニフェスティヴァル、アカデミア修了。バチカン音楽祭に、ミラノスカラ座オペラ研修所合唱団として出演。アローナ市劇場、ベルガモ夏の音楽フェスティヴァル「トューランドット」リュー役で出演、パルマ王立歌劇場の合唱団員としても欧州各地の公演に出演。ミラノと日本を拠点、声楽教室Vocal
Salon VOCE主催。

現在の仕事についた経緯

小さいころから歌うことが好きでした。ピアノを習い始めて、音楽高校に入学。イタリアのオペラに出会い、こんなに素敵な音楽がこの世の中にあるのかと衝撃を受ける。初めて見たオペラ【椿姫】に感動し、オペラ歌手としての道を目指す。コンクール、オーディションを受けたり、短期でイタリア留学を繰り返し、研鑽を積む。イタリアで受けたオーディションに合格し、オペラに出演するチャンス得たのに、自分の自信のなさで、チャンスを逃したことをきっかけに、大学講師の仕事、日本での音楽活動を辞めて、本物を極めようと本格的に渡伊。イタリアでは、著名なマエストロ、プッチーニフェスティヴァルアカデミア、スカラ座研修所などで研鑽を積みました。イタリアの劇場で仕事していく中できた人脈を生かし、イタリアと日本を音楽で繋げるため、一般社団法人を設立しました。

仕事へのこだわり

・心が動くか
歌、音楽を人に伝える仕事ですので、まず、自分の心が動くか、そして、人の心が動くかがまず、一番大事だと思います。オペラ歌手としてパフォーマンスをするときも、歌を教えるときも、音楽イベントを企画するとき、人の心が動くことを意識しています。〈感動する音楽〉を多くの方と共有したいと思います。また、社団法人を立ち上げてから自分が上の立場に立つことが多いですが、下を育てるときもその人の心が動くことを意識しています。

・人とのつながり
オペラ歌手としてのチャンスは、人との出会いが大きかったように思います。普段は公開されていないオーディションにたまたま友達が招待してくれたり、落ちたと思っていたオーディションの結果を聴かないで放置していて、後日主催者に連絡したら、もう一度、歌を聴かせに来てほしいと言われたり、予期せぬところに、チャンスがあったりします。

・粘り強さといい加減さのバランス
パフォーマーとして、極上の音を追究することは、時間と忍耐が必要です。あきらめないで、粘り強く音楽と向き合うようにしています。その一方で、人に教えるときには、完璧を求めない、ある種のあきらめというか、これで良しとするラインを決めて教えています。追究しすぎて、その人の良さがなくなってしまうのでは、本末転倒です。人を見て、その人に必要なことをバランスよく教えていくことを心掛けています。
また、制作する立場で、プロジェクトを進めるときには多くの人がかかわるので、自分のベストは尽くしつつも、これくらいでいいかとある程度のところで区切りにすること、常にバランス、相手を見て仕事をしています。

若者へのメッセージ

自分の可能性や、物事を決めつけないで、何にでも挑戦した方がいいと思います。チャンスはどこにあるか本当にわかりません。ある程度それを繰り返すと、自分の方向性や、好きな事、傾向などがわかってくると思います。あとは、悔しい思いをしたことが私は糧になりましたから、失敗しながら学んでください。

頑張っていると支援者が現れたり、チャンスが舞い込んだり、強い意志のあるところには道は開けていくと思います。