合同会社Musubi Lab 代表

房田基嗣

Mototsugu Fusada

伝統の技法、ナラティブを後世に残す

房田基嗣

略歴

神戸大学大学院卒業後、2012年より三井物産にて、製造業に関連する海外営業・事業投資のほか、東南アジア地域での事業開発を推進。2021年2月にMusubi Lab代表へ就任。伝統食器の販売事業を開始。

現在の仕事についた経緯

事業を始めたきっかけは、伝統和食器の出荷額が過去30年近くにわたり縮小を続けており、職人の方々の高齢化・廃業に伴って、素晴らしい技術が日々失われていることを知ったことでした。
元々、国内外の行く先々で、その土地の食器を買い集めるのは好きだったのですが、業界への知見は全くありませんでした。
伝統食器産業の課題を知ったとき、「良いものを作ってるのにな」という感想を持ったのですが、同時に「それが自分の次の世代に残らない」ということを想像した時に、とても大きなものを失う危機を感じ、産業課題の本質的な要因を考え始めたのがきっかけです。
以前から、伝統や文化という、そこに住む人々や長い時間が作り上げてきたものは、他の誰もコピーできない、その土地にとっての重要な資源だという考えを持っていたので、この取組を通じて、それを活かすお手伝いができるかも知れないと感じたことも行動を後押ししました。

仕事へのこだわり

「物事の本質は何か」を突き詰めることを常に意識しています。前職の総合商社では、「お客様や社会の課題を解決する」というのが広い意味でのミッションでした。
課題に向き合うときに、「なぜそうなっているのか」、「なぜそう言ったのか」という疑問を持ち、とことん深堀りすることで本質を見つけることの大切さや、思考のプロセスを、諸先輩方から学び、できるだけマネをしてきました。現在取り組んでいる伝統食器の事業も、産業課題の本質を探る中で、もっと知りたいと思うようになり、そのためには自分の目で見て、聞いて、感じなければと思ってるうちに動き出していたように思います。

もう一つ重要なのは、その課題にどうやってアプローチするかですが、残念ながら私は今のところ何のスペシャリストでもありません。会社を始めてから、夫々の分野ですばらしい技能やセンスを持つ方が、会社のビジョンに共感して合流してくれました。
いまの私の役割は、課題の本質を探り、できる限り可視化し、それを伝えて一緒に動くことだと思っています。
やるべきことは盛り沢山なので、共感の輪を大きくしながら楽しくやっていきたいです。

若者へのメッセージ

伝統産業もそうですが、大手が参入しづらい業界には、先進的な業界でうまく機能している仕組みや、若い世代にとっての当たり前を持ち込むことで、大きく改善するポテンシャルがあると思います。もちろん壁も多くあるはずですが、柔軟な発想で身軽に動ける若い世代だからこそ乗り越えられる可能性があります。
もし私が力になれることがあれば、ぜひお手伝いしたいとも思いますので、お気軽に相談してください。