トレードログ株式会社代表取締役

藤田誠広

Masahiro Fujita

先義後利 天の時、地の利、人の和

藤田誠広

略歴

上智大学法学部卒業後、バックパッカー、ニート、非正規労働者などを経てマーケティングデータ業界にて15年従事。大手製造業担当やデジタル系事業開発などを経験。2018年ブロックチェーン導入とデータ活用支援を両輪とするトレードログ株式会社を創業。

現在の仕事についた経緯

高校・大学時代から環境問題や市場経済の今後のあり方に強い関心がありました。大卒後、シベリア鉄道に乗って旧共産圏が負けた理由について考えたり、時給が上がらない派遣社員も3年間経験しました。その後、会社員時代に主に大手製造業のブランドマーケティングを支援する中で、近代の市場社会が大きな曲がり角に来ていることを改めて実感しました。商品を神秘のベールで包み、売り手と買い手との間に「情報の非対称性」を設けることを「ブランディング」と誇る時代が長らく続きましたが、近年はそういった手法は「不正の温床」「不透明」と叩かれます。売り手と買い手、そして社会の3者間で必要十分な情報を対等に共有する、そんな新しいマーケティングコミュニケーションを模索する中でブロックチェーン技術に出会いました。この新技術で大手企業を内側から変えていけるのではないかと思い、トレードログ株式会社を創業するに至りました。

仕事へのこだわり

あらゆる面で「質問」を意識するように心がけています。
営業であればお客様の課題は何なのか、一職業人としての本音の願望は何なのか、あるいはチーム内のコミュニケーションであれば何か困っていることや不安なことはないか、将来はどんな仕事に取り組みたいのか、そういったことを質問を通してできるだけ具体的に把握することを心がけています。
私がこのスタイルを意識するようになった転機は、とあるベテラン営業マンとの出会いがきっかけでした。30歳頃、私は社内では新規開拓が得意な若手だと目され始めていましたが、自分の営業スタイルに頭打ち感を感じていました。
ある時、まだ訪問できていない札幌を攻略すべく、かつて札幌で働いていた黒川さんというベテラン営業マンを誘って出張に行くことにしました。黒川さんは役職定年を過ぎた社内でも目立たない存在でしたが、準備の段階から色々な四方山話を聞かせてくれました。
出発の日は我々の便の次便以降が欠航になるような大雪の日だったのですが、私は大雪の札幌で今まで見たことがないような営業スタイルを目の当たりにします。相手企業への入念な調査に基づいた世間話に始まり、相手企業の組織や課題について仮説を立てた上での取材にスムーズに入っていきました。そして、提案するサービスを探りながら私にサービス説明を促し、間に巧みな質問を挟んで興味を喚起していくのです。「自分に足りないのはこれだったのか」ともう眼から鱗で、3日間の出張中は黒川さんの質問を必死にメモに取りました。この営業同行をきっかけに今までの自分のスタイルを見直し、頭打ち感を克服するきっかけになりました。
あの日の飛行機が欠航にならなくて本当に良かったと今も思っています。

若者へのメッセージ

恥ずかしながら私は後悔の多い人間です。
若い頃は、大学時代にもっと将来を真剣に考えるべきだったのではないか、もっと勉強も遊びも全力でやるべきではなかったのか、そんなことをくよくよ考えました。働いてからも、インターネット革命になぜ自分は乗り遅れたのか、学閥を目の当たりにして上智ではなくせっかく受かった慶應を選ぶべきだったのではないか、携わる業界をもっと真剣に選ぶべきではなかったか、もっと周りの同僚や上司とうまくやる方法があったのではないか、そんなことを考えたりしました。
ただ、置かれた場所で自分なりに取り組み必死に次の道を探してきたことは確かです。その結果、今の自分があると思っています。
ここ数十年、社会での選択肢が増えすぎた結果、格差も広がり、世の中には燻っている若い方々が多く見られます。かつての私のように色々と後悔を抱えている方もいるかもしれません。世間が煽るようにチャレンジしようにも、手元の武器が揃わず歯痒くもどかしい思いをしている方もいることでしょう。
しかし、その時その時に手元の武器でどうにか試行錯誤した経験は必ず後で活きてきます。焦らず腐らずに前を向いて進み続けて欲しいと思います。
もちろん当社で一緒に働く機会がございましたら、互いに切磋琢磨しながら成長していきたいですね。