NINJAPAN株式会社 代表取締役

新井翔太

Shota Arai

Better better than Best.

新井翔太

略歴

甲陽学院中高、京都大学総合人間学部、京都大学大学院人間・環境学研究科修士卒業。専攻は現代思想・哲学。
米国投資ファンドである、Taiyo Pacific Partnersでのインターンを経て、ドイツ銀行グループ、ドイツ証券、ドイチェ・アセット・マネジメントにて、投資銀行業務や資産運用業務に従事。
現在はNINJAPAN株式会社代表取締役社長としてAbuildやACE(Abuild Coaching for Enterprise)等複数の事業を統括。
小説家としても活動。戦略、ファイナンス、プロダクト、カスタマーサクセス、マーケティング、リーガル、バックオフィス、マネジメント、コーチング等のビジネス領域に知見を有する。

現在の仕事についた経緯

こんにちは、Abuildの新井翔太です。
共同代表である弟と地元の銭湯で話していて「一緒に事業しよう」と熱くなったのがNINJAPAN株式会社の始まりです。しかし、最初の事業は新型コロナの影響で湯けむりのように立ち消えてしまいました。相当な負債が圧し掛かる状況下で、会社を清算するか、というギリギリのところまで追い込まれました。初期投資を終えてすぐのことでした。

先が見えない中でも、地面を這いつくばってでも生き残る道を選びました。
一度更地のような状態になったことで、改めて自身の“志”に向き合いました。この大変な時世で、わざわざ事業をやる意味、どういう目的のために、何のために会社を経営するのか。
そして「埋もれた資源を発掘し、個人や組織のポテンシャルを最大化する」という大学時代からの想いに改めて立ち返りました。大小含め様々な仕事を掛け持ちしながら、会社を存続させつつ、自分たちの目指す世界を実現する事業を立ち上げるべく日々試行錯誤しました。
それが日本のコーチンングDXをリードするAbuild就活やAbuild Tech、Abuild Career、ACE(Abuild Coaching for Enterprise)です。

仕事へのこだわり

中学校時代から自分には特別なものがないと感じていました。
世界で活躍できるような身体能力もハーバードでトップに居座るような頭もありません。特定の分野で飛び抜けることが難しい。でも自分を高めたい、自分の周りを良くしていきたい、社会にアクセスして不条理な部分を解消していきたい、そんな向上心という欲望は捨てられませんでした。
そして、色んなことを組み合わせて総合的に戦っていくしかないという生存戦略に行きつきました。ただ単に様々なことを組み合わせるのではなく、自分の哲学を軸にした志向性のもとに総合するという生き方です。

私はそれを「並行バランス思考×志」と体系化しています。

1. 並行バランス思考というのは、二項対立を使いこなす哲学的な考え方のことをそう呼んでいます。
世界認識すべてに応用できますが、例えば、仕事においては全体と部分という二項対立を往来させることの連続です。事業としては、抽象的なコンセプトと具体的な施策の二項です。天空に浮いた理想郷を、地上とどのようにつなげるのか、そのための建造物は何が良いのか。
自社の視点(プロダクト)とクライアントの立場(マーケット)、チーム(全体)と個人(部分)という観点、個人レベルでは大きな目的と手段、全体タスクと直近でやるべきタスク等を擦り合わせ続ける。
このように二つの視点を行き来し、境界線上のせめぎ合いにおける力学バランスを取っていくことです。

2. 志というのは、自らが目指していきたい方向性であり、やりたい切り口であり、熱量です。会社でいうところのVISION、MISSION、VALUEにあたるものです。
どういう世界を描きたいかという未来志向があり、どのようなアプローチでその切断面たる世界を切り拓いて実現していきたいかというナイフがあり、どういう行動規範で進んでいきたいか、を総じて「志」だと考えています。

NINJAPAN株式会社では
「次世代に、熱く在れる常識を創り続ける」というVISION
「埋もれた資源を発掘し、個人や組織のポテンシャルを最大化する」というMISSION
「誰かのために、働こう
 楽しむために、結果を出そう
 信じるために、考え抜こう
 挑戦しよう、新しい景色を視るために」というVALUE
を掲げています。

まだまだ目指したい世界への道筋の入口に立ったばかりですが、目標を設定し最適な戦略で志高く本気で頑張り続ければ不可能なことはないと思っています。
個人や組織のポテンシャルを最大化するAbuildのコーチングDXや、水面下で仕込んでいる新たな埋もれた資源を発掘するためのプロダクトを通して、次世代に熱く在れる常識を創り続けていきたいです。

若者へのメッセージ

本当にやりたいことを探してくださいね。ただし目の前のやりたいこともどきに飛びつかないでください。
人は自分が認識できる範疇でしか世界を捉えられません。小学生の頃になりたいものに野球選手やサッカー選手、ケーキ屋さんやお花屋さんが多かったのは、小学生が見えている範囲で良さそうなものを夢だと思ってしまっているからです。
本当に自分のやりたいことを掴むためには、様々なことを経験し、広く世界を知っていく必要があります。視野を拡大していく過程で、既存の思考領域外の事象にぶつかりながら、自身を形成していくのです。

そして晴れてやりたいことが見つかったとしましょう。ただやりたいことがあるだけではまだ危ないです。
適切な戦略を持ってください。やりたいことに辿り着くための全体像を見定め、どういうステップを踏めばゴールに行きつくのかを考え抜いてください。そして適切な戦術を用いてゴールを目指してください。
あとはやり抜くモチベーションを補給し続けられれば、やりたいことは意外と達成できます。
ただし実はやりたいことが出来てしまった後が問題なのです。
その時、きっと気が付くと思います。本当にやりたいことが固形物で存在することがないということに。また新しくやりたいことが生まれてくるからです。
自身を更新し続けていく能動態の中にしかやりたいことが見出せないという構造が見えることでしょう。

楽しいですね。さあ、また新たな経験を元に、戦略的に行動し続けていってください。