株式会社キューイ代表取締役/アートディレクター

星 毅

Takeshi Hoshi

オープンとポジティブ

星 毅

略歴

建築の大学を卒業後、専門学校の桑沢デザイン研究所に入学しました。
有志でデザインフリーペーパーの編集チームを設立し、学校の協力と広告収入で活動資金を作り運営しました。私が卒業した後も後輩たちが繋いでいってくれて学校の文化になっています。
卒業後はグラフィックデザイナーとしてデザインプロダクションに入社し、5年目でアートディレクターに。その中で仕事やコンペ、自主制作に明け暮れる日々を送り、友人とオリジナルのデザイングッズを開発して遊んでいました。大学のデザインの授業の非常勤講師も4年間経験しました。
その後、12年目に会社の代表引退に伴い解散、2022年に株式会社キューイとして独立しました。アートディレクターと特殊造形アーティストのタッグでデザインとものづくりの会社として活動中です。

東京展-絵本の部屋マーベラス賞、国際コンペ名古屋デザインDo入選、2021年4月 abemaTV『アベプラ』、2022年2月 日本テレビ「スッキリ」、2022年3月 フジテレビ「アニマルリスペクトTV動物さまの言うとおり」など作品出演。

現在の仕事についた経緯

現在の会社の取締役になる方がきっかけです。特殊メイクをルーツに持っているアーティストで、ものづくりを通して一緒に遊んでいました。
その中で象の型をとってオリジナルのグッズを作る機会がありました。彼が技術を駆使し、私がストーリーやコミュニケーションを作り上げる。完成したものはメディアにも取り上げていただき、反響も多くいただきました。普段の平面的なデザインワークより踏み込んだ手応えがありました。

独立を考えていたときに、この経験が心に大きく残っていました。
グラフィックデザインは2次元の中で展開するものが多いですが、そこで終わらず、その先に触れるようにできる会社があったら面白い。
また、立体制作の面から見てもデザイン的なディレクションを一貫して行えるので、より柔軟で面白い物作りを提案できる。
それは僕らにしかできない会社になるんじゃないかと思い、株式会社キューイの設立に至りました。

仕事へのこだわり

デザインの仕事は作品と表現されることが多いのですが、私たちが日頃制作しているものは、お客様の大切な財産です。その自覚を持たないといけません。自身の作品作りと捉えては、デザインの目的がブレてしまいます。
ですが、デザイナーとしての拘りや想いのないものは人の気持ちを動かせません。
結果としてお客様のブランドの価値を育てることができない。
良いデザインを作るために、製作者としての拘りと、お客様の想いに、適切なバランスで向き合わないといけません。大体4対6くらいが良いです。このバランス感覚はとても大事で、このバランスが取れることがプロとしての品質だと考えています。

デザインは作ることと同じくらい、決める側にも深い理解が必要です。その時はこのバランス感覚も必要になります。その理解を共に深めていくのも私たちの仕事だと思います。
お客様と一丸となって同じ地点を目指していくためにも、常にコミュニケーションを取り続けていきたいです。

こういう真面目な話もしますが、フランクな会話も適度に挟みます。直接関係ないお話もお聞きしたいし、笑い話もしたい。プロの先生みたいに思われるより、相談しやすい身近な人のようになりたい。
これもバランスだと思っています。その先に強い信頼関係を築けると、とても嬉しいですね。

若者へのメッセージ

すごく単純なことですが、人、行動、勉強、遊び、なんでも好意的に見る癖をつけると良いと思います。

粗探しや欠点を探すこと、言い訳や批判を探すことなどは誰でもできることです。
でもこの類の発言や考え方は、人間関係も良くなくなりますし、考え方が発展していきません。
良いところを探そうとすると、対象をより理解しようとします。これがとても良いトレーニングになるんです。
良いところが見つかると、それを褒めるためには、そこに至った経緯を知る必要も出てきます。自分の価値観の理解にも繋がりますし、刺激にもなります。気持ちも前向きになります。

全てのことが好きというチャンネルで日常を見てください。そして良いところを人に伝えられるくらい深く考えましょう。そうすると色んな発見があって楽しいと思いますよ。