株式会社アメディア代表取締役社長

望月 優

Yu Mochizuki

可能性、決めているのは君自身 一歩歩めばぐんと広がる

望月 優

現在の仕事についた経緯

社会に出る頃には企業への就職も考えていたのですが、視覚障害があったこともあり、当時は面談を受けるまでもなく断られることがほとんどでした。とても就職ができる状況ではなかったんです。
しかし情報とテクノロジーの力で障害は大幅に改善できるという確信があった私は、「視覚障害者にとって役立つ仕事をしよう」という一心で現在の会社を起業しました。早いもので創業から32年の月日が経ちます。
当社は主に、視覚障害者向けの情報機器(音声読書機など)の開発と販売事業を中心に成長を続けてきました。障害者がテクノロジーで便利になる機器を開発したり、海外から障害者支援に役立つ機器などを輸入し、販売しています。

仕事へのこだわりと今後の目標

仕事は社会の一翼を担うことだと私は思っています。誰しもが必ず社会の中で何かしらの役割を担っているわけですから、その役割をしっかりこなすことが社会貢献だと思いますし、その役割を自分自身が見極めていくことも必要でしょう。
私の役割で言えば、障害者の自立支援です。当社の経営理念は「情報とテクノロジーで障害者の自立支援をすること」と掲げていますが、それが当社の存在意義でもあるのです。

障害者の自立支援という観点で言えば、まだまだ道半ばだと感じています。ここ30年間では、視覚障害者の方々が本や印刷物を点訳せずに読めるよう開発に注力してきましたが、今後は新たな挑戦も続けていかなければいけないと考えています。
その一つが、歩行の自立支援です。とくに視覚障害者の不自由は、移動と読み書きだと言われてきました。移動の自由を確立していくことは今後の大きな課題でもあると考えています。現在当社では、視覚障害者に使いやすい歩行ナビアプリを開発し、、歩行を自由に行うためのガイド地図を作成しているところです。この開発はまだ着手したばかりですが、これからの30年をかけてさらに障害者の自立支援を促進できればと思っています。

若者へのメッセージ

昨今、既存のマスメディア(テレビなど)では、非常にネガティブな発信が多く見受けられるように感じます。そうしたマインドが世の中に浸透し、それが当たり前の風潮になってしまえば、若い方々の可能性を摘んでしまうことにもなりかねません。だからこそ私は、いじめのスタンスに若い方々が巻き込まれないようにしてほしいと切に願っています。社会の改善のために何かを発信することは良いことですが、人を責め立てたり傷つけるようなことは決して褒められるものではありません。世の中で起こるネガティブな事象は、その矢面に立たされる人が駄目なのではなく、その事態が駄目なだけです。人を中心に攻撃する世の中の雰囲気がある時代だけに、そうした人イジメの風潮にひきづられないでほしいと思っているんです。
そして若い方々一人ひとりが、社会の中での自分の役割をしっかりと意識すべきです。自分探しに悩む人も多いかもしれませんが、例え小さなコミュニティだとしても、必ず自分の役割はあります。その役割を明確に意識し、全うしていけるよう頑張ってください。