株式会社D&I 代表取締役

小林鉄郎

Tetsuro Kobayashi

一歩踏み出す

小林鉄郎

現在の仕事についた経緯

前職の上司であり、D&Iの創業者でもある杉本から誘われたのが現職に就いたきっかけでした。前職では、ヘッドハンティングや経営コンサルティングを行うベンチャー企業に勤めていました。そこで新規事業として障害者雇用支援事業の立ち上げを任命されたのが杉本で、私は彼の下で働いていたんです。
おかげさまで新規事業は好調でしたが、2008年にリーマン・ショックが起こり、会社の経営が傾いてしまいました。どうしようかなと悩んでいたら、杉本から障害者雇用支援事業の会社を立ち上げるから来ないかと誘われたのです。そして杉本と一緒に2009年に株式会社D&Iを創業しました。それ以降、杉本と二人三脚で会社を経営していましたが、2021年6月に杉本が急逝してしまい、私が代表取締役に就任しました。
今でもたまに「しょうがないなー!」と、ピンチなときこそ笑っていた彼の姿を思い出します。急なことだったので慣れない部分もありますが、杉本が10まで作り上げたものを、今度は僕が1000まで広げる、そういう気持ちで日々取り組んでいますね。

仕事へのこだわりと目標

若手の頃は、誰よりも先に手を挙げるタイプでした。とにかく毎日全力で、仕事でもプライベートでも誘われたら必ず行くという感じでした。というのも、若手の頃から漠然と社長になりたいとは思っていたものの、やりたいことがなかったんです。それなら興味に触れたものを片っ端からやる方が、視野も広がるし、いろんな人にも会える。そこからやりたいことも見つかるんじゃないかと思っていたんです。
元々人が好きという性格もあるかもしれないです。そんな風に若手時代を過ごしてきて「人」という資産には恵まれていると感じます。同世代で活躍している方達とのネットワークもあるので、一人でやるより、できることが増えている実感もありますね。

これからも、弊社のミッションである「誰もが挑戦できる社会を創る」を追い続けていきたいですね。
弊社の事業領域は障害のある方に特化していますが、障害じゃなくとも、何らかの理由で働けない方は社会に埋もれていると思います。特に、パーソナリティじゃない部分で雇用を奪われている人を見ると、違和感を覚えます。
そういう潜在労働者の方々を顕在化し、支援し、ちゃんと戦力として活躍できるプラットフォームを整えていくのが我々の仕事です。働ける人口が増え、一人当たりの生産性が上がれば、日本の少子高齢化の課題にも貢献できると思います。

若者へのメッセージ

私もそうでしたが「やりたいことがない」と悩む人は多いと思います。でも、若いうちからやりたいことが決まっている人なんて1%いるかどうかです。そこで悩むよりも、自分の興味に触れることについて考え続けた方がいいと思います。
具体的に言うと、仕事でも遊びでも食事でも恋愛でも、気になったら全部やること。すると物理的に忙しくなるので「3つのスケジュールを同時並行する方法はないかな」と知恵を絞るようになり、生産性や実力が伸びていきます。それから日々アンテナを張り巡らせて生きていると、本当に「これだ!」というものが来たときに掴みやすくもなります。よく「オンとオフ」「仕事とプライベート」と分けて考える方がいますが、私はそうじゃないんです。どちらかだけの生産性を上げるのは逆に難しいんじゃないかと思います。
だから若い方にはぜひ、仕事もプライベートもひっくるめて一日一日を全力で生きてほしいですね。