M&A One株式会社 代表取締役社長

吉川将平

Shohei Kikkawa

空腹では隣人は愛せない

吉川将平

略歴

京都大学卒業後、国内最大の大型M&A執行部隊である野村證券株式会社投資銀行部門に新卒入社。
ベンチャーキャピタルやスタートアップでの経営企画業務を経て、東証一部上場企業、株式会社トレジャー・ファクトリー経営企画室にてM&A実務を担当。
M&A案件の発掘から企業価値算定、投資回収プランの策定、企業価値算定及び投資回収計画スキームの改善、案件の執行・管理、統合後の経営管理まで一貫して実行。
2020年10月には同社過去最大規模となる売上20億円規模のM&A案件の全体統括及び条件交渉等、案件執行全体を担当。他、同社初の出資案件の発掘、交渉及び執行、同社初の異業種M&A案件などを担当。
2021年、中小M&A支援の品質に問題意識を持ち、M&A One株式会社を創業。
330社以上のM&A会社を調査、セカンドオピニオンやアドバイザーの代理選定などが主軸。
「痛みよりも幸せを生むM&A」がモットーで、買い手側での現場体験を元に情報提供活動にも力を注ぐ。

現在の仕事についた経緯

中小企業M&Aの課題に根深いものを感じたためです。
私は東証一部上場企業でM&Aを行い、会社を買収する担当者をしていました。
M&A業界からすると顧客の立場で、日々様々な提案営業が来ていました。
その中で、率直に良い方もいれば悪い方もいるといった、事業者が乱立していることの弊害を肌身で感じました。
買い手として手慣れた会社だったので、私は冷静に対処できましたが、会社を売却する側の中小企業オーナー様は、さぞかし気苦労が多いだろうと思い、売り手側に付き、真っ当なアドバイザーを代わりに選んだり、利害関係を持たない第三者の目線で成約まで伴走するサービスを行うような、中立的な立ち位置の会社を立ち上げました。

仕事へのこだわり

スキルより取り組む姿勢を重視します。
仕事のスキルは、真面目に取り組んでいれば勝手についてきます。
最も大切なのは、「誰のために」「何のために」仕事をするのかです。

「誰のために」は自分ではなく、他者のためでなくてはなりません。
自分のために仕事をしていると、熱意が空回りしたり、周りと呼吸が合わなくなります。
人のために仕事をしていると、人が求めるもの、社会や会社が求めるものに目を向け、「成果」を出すようになります。

私は恥ずかしながら、20代の後半に差し掛かったところでこのことに気づき、それまで、人に感謝されることで自分の存在を認めてもらいたい、スキルを磨いて自信を付け、他者に求められたい、といった承認欲求のためにしていた仕事を、会社のために何が実現されているべきか、から逆算して仕事をするようになりました。
結果、周りが求める「成果」と自分が出すべき「成果」がすりあってきて、活躍しているね、と言われるようになりました。

起業には、より大きく社会に向けて貢献したいという目線が自分の中で形成されたことも大きいです。概念的には、組織は社会のためにあるものであり、仕事を通じて間接的に社会貢献をするものです。
前職の職場でもやりがいは十二分にありましたが、自分が組織を作って、より一層の社会貢献を実現したいとの想いが強まりました。

起業してからも、初心を忘れず、自社の事業が社会に貢献できるものなのか、永続して価値を発揮する組織に成長することができるのか、そして、目の前の仕事の1つ1つが誰かの役に立つものなのか、この3つを大切にしています。

自社のポリシーにも、会社が他者に対して貢献できる存在であり続けるために、「人への愛」「実践の重視」「貢献を誇る心」の3つを掲げ、自分と会社の両軸でこだわりを持って仕事をしています。

若者へのメッセージ

「今の世の中は変化が激しく、正解が無い」と言われています。
「そんなことを急に言われても」と面食らう方もいれば、「チャンス」だと意気込む方もいるかと思います。
どちらも人間として自然な感覚で、私がとやかく言うものではないと思っているので、少し別の角度からメッセージを送ります。

私は古典が好きなので、何世紀も前の時代に書かれ、今も残っている本を読むことが多いです。不思議なのは、いつの時代も「現代は変化が激しく先行きが不透明だ」と書かれていることです。
もちろん、日本で言う江戸時代のように比較的安定した時代もあったので、激動の時代に書かれた書物がたまたま多いのかもしれませんが、江戸時代でさえ、幕府の政策が1代で突然真逆の方向に傾いたり、激動と感じる生活者もいたのではと思います。
言いたいのは、いつの世の中もそうであったのではないか、ということです。

変化に対応しなければならないのは、決して若者だけの苦労ではありませんし、現代だけの「未曾有の課題」でもありません。いつの世も同じだと思います。

気を楽にして、変化の次に何が求められるのか、感じ取るゆとりと、自分の外の世界に耳をそばだてる姿勢を持って生きてください。
外の声に耳を傾けることで、自分が見えてきます。
いつの世も、そういうものだと思います。